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May
08
2008
粂八です。
前回に引き続き『不動産』の定義にもう少しこだわってみたいと思います(今回は実践編です!)。
仕事上、何が「不動産」で、何が「動産」なのか。その分類が問題になるのは、大規模な工場や旅館・ホテル、文教施設・医療施設等、特殊案件の評価を行う場合です。
こういう案件の場合、依頼者にお願いして「償却資産台帳」という資料 〰「固定資産台帳」「減価償却費明細書」等と呼ばれることもあります〰 を提供してもらうことが多いのですが、不動産鑑定の同業者でもこれを、しっかり読める人と読めない人がいるような気がします...。
償却資産台帳は、それを作成している企業ごとに微妙な違いがあったりしますが、資産区分(対応勘定科目)としては以下の通りグルーピングされていることが一般的だと思います(当たり前ですが、不動産の中でもメインとなる「土地」に関しては、償却資産では無いので、ここで計上されることはありません。念のため...)。
〇建物
〇建物附属設備
〇構築物
〇機械装置
〇車両運搬具
〇工具器具備品
これらは、企業会計上の分類になりますが、これを鑑定評価の対象とする時には、不動産と動産にグループ分けする必要があります。理由ですか...? それはズバり、不動産と動産では価格を求めるための評価手法が異なるからなのでした! もうちょっと厳密に言うと、評価のためには、上記の"会計上のカテゴリー"を、下記の"評価のためのカテゴリー"に分類し直さなければなりません。
◇建物(躯体及び付帯設備)
◇建物以外の不動産(もちろん土地は除く)
◇動産
一般的に、不動産鑑定士が評価の対象とするのは、土地と、上記カテゴリーの中の「◇建物(躯体及び附帯設備)」だけということが多いです。では、同じ不動産でも、上記の「◇建物以外の不動産」はどう扱われているかというと、実際には存在自体がネグレクト(無視)されることが多いのではないでしょうか?
確かに、住居や事務所ビル等の一般的な不動産では、全体の中でその経済価値の占める割合は僅かなので、これを無視してしまっても誤りではないでしょう。でも、前述のような大規模な工場、旅館・ホテル、文教施設・医療施設だと、建物以外の不動産、すなわち機械プラントだとか、建物から独立した設備等は、取得価額を建物と比べても、同等かそれ以上という物があり、その経済価値は無視できるものではなくなってきます。
そこで、こういう特殊案件の場合には、"評価のためのカテゴリー"に再分類することが必要になってくるのでした。再分類はだいたい以下のように行われます。
〇建物〇建物附属設備 → ◇建物(躯体及び附帯設備)
〇構築物〇機械装置 → ◇建物以外の不動産、又は◇動産
〇車両運搬具〇工具器具備品 → ◇動産
この中で、ややこしいのは中段の「◇建物以外の不動産、又は◇動産」のどちらかに分類されるグループですよね。でも、「建物以外の不動産」だと、不動産鑑定評価基準通りの評価手法ではなく、簿価を基本にして査定額を出すことが多く、その点、中古市場が整備されていない「動産」と評価手法上では大きな相違は無いので、敢えて分ける必要はないかもしれません。
償却資産の量が多い場合も、エクセルのyearfrac関数で経過年数をしっかり押さえて、VDBという財務関数を使えば、価格時点における簿価がズバッと出てきてくれるので、そこまでは難しくないと思います。
簿価をふまえての「評価」に関しては、そこまで踏み込んだ文献は少ないですが、どうしても何か欲しい人は、清文社刊の『民事再生法と資産評価』に僅かにその手掛かりがあるかもしれません。また、構築物の評価に関しては、2007年に発行されたばかりの財団法人建設物価調査会刊『建物の鑑定評価必携 外構・工作物実例データ』という文献が非常に参考になります。
(文責:小房の粂八)
[不動産の基礎知識] posted by 三瓶|trackback(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 『不動産』って何? 〰part2 実践編
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