不動産まめ知識

調べれば調べるほど、奥が深いぞ不動産!弊社スタッフがふだんの仕事の中で見つけた疑問を解決するために、調査・研究した成果を分かり易くご紹介します。

May

25

2008

水平指定道路

私が不動産調査をはじめたばかりの頃、教育係の先輩から特に注意するように言われたことの一つに「建築基準法42条2項道路」があります。道路の中には、市道認定・町道認定を受けていても、幅員が4mに満たない場合には「2項道路」扱いになるケースもあり、今でも、物件の現地調査では神経を使うところです。

けれども、「2項道路」については、多くの入門書でも詳細に解説していますので、ここでは、更に一歩踏み込んで、「水平指定道路」を取り上げてみたいと思います。

「水平指定道路」、建築基準法42条1項5号の「位置指定道路」と名前は似ていますが、こちらは、同法42条3項で規定された道路です。ネットで検索してみると、神戸市・宇都宮市等でもヒットしてきましたから、おそらく全国的に見られるものなのでしょう。でも、宮城県内では、私は仙台市の中でも一部の地域でしか見たことがありません。

 

法的には次のように説明されています。

建築基準法42条3項:特定行政庁は、土地の状況によりやむを得ない場合においては、前項(=2項道路)の規定にかかわらず、同項に規定する中心線から水平距離については2m未満1.35m以上の範囲において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については4m未満2.7m以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。

ちょっと分かりにくいので翻訳すると、「やむを得ない事情がある場合に限って、幅員2.7m以上4m未満の道路でも、一定要件を満たすものは、特定行政庁は『水平指定道路』として指定することができる」ということになると思います。

仙台市では、水平指定道路が見られるのは、藩制時代からの市街地で、狭隘な道路等が残っている地区にほぼ限定されています。条文の趣旨からすると、他の都市でも、同じく昔からの街並みが残っているエリアに限られるのではないでしょうか。

この水平指定道路は、以下のような特徴があります。

① もちろん「建築基準法上の道路」として扱われますが、2項道路と異なりセットバックの必要がありません。

② 2項道路の場合、基準容積率は、現況幅員が何mであろうと、住居系用途地域では4m×0.4=160%、商業系用途地域では4m×0.6=240%と、指定容積率を比較し、低い方の数値を採用しますが、水平指定道路の場合には、この計算式が、「4m」を基準にしたものではなく、「指定幅員」を基準としたものになります(仙台市の場合)。

③その他、各自治体は条例により、この水平指定道路で接道要件を満たす建築物について、敷地・構造・建築設備・用途等に関して必要な制限をつけることができるとされています。

 

建築基準法全体の中では、あくまで「例外的」な扱いとなる道路ですから、文字通り「やむを得ない場合」にしか指定を受けることはできません。実際問題として、新規に指定を受けることは難しいということですので、建物建築の際にこの「制度の利用を!」と安易に考えることは注意した方が良さそうです。

(お詫び)以前に、この文章の末尾に書いていた「仙台市の私道取扱指針の改正」、救済措置としての「一定幅員同意型...」制度の導入という事に関しては、事実関係とは異なるという指摘を仙台市の担当課から受けました。情報の正確性を検証せず、誤った「知識」を掲載してしまったことを心よりお詫び申し上げます。 

[法制度・公法規制] posted by 三瓶|trackback(0)

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